人は今や世界中へと簡単にアクセスできるようになりましたが、その一方で、目の前にある世界を見失いがちです。デジタル空間は私たちの注意を引きつけ、同じ場所にいる人同士でさえ引き離してしまいます。しかし「一緒にいても、ひとり」という状態は、テクノロジーそのものの問題ではなく、私たちの認識の問題です。目を向けなくなったものは、やがて存在しないのと同じになってしまいます。だからこそ、写真の役割はこれまで以上に重要なのです。現実の世界から目を離さず、そのすべてを、持てる力の限りを尽くして写し留めること。それが写真に託された使命なのです。





「ライカM EV1」は、ライカにとって新たな章を切り開く存在です。「ライカM」シリーズとして初めて、クラシックなレンジファインダーに代わり、電子ビューファインダー(EVF)を採用。マニュアルフォーカスという本質はそのままに、EVFはフォーカスピーキングや拡大表示によって、きわめて明るいレンズや望遠・広角レンズでも、より正確なピント合わせを可能にします。新しさに挑みながらも、本物であることに忠実であり続ける──それがこの進化です。

近年のライカ・オスカー・バルナックアワードは、非常事態に置かれた世界の姿を写し出しています。パンデミック、気候危機、移民、そして社会的緊張──それらが時代の輪郭を形づくっています。受賞したシリーズは、距離のなかに生まれる親密さや、アイデンティティ、探求、そして回復力について語ります。写真は共感のための言語となり、同時に、変わりゆく人類を見つめる精緻な観察であり続けているのです。

アナ・マリア・アレバロ・ゴセン
『永遠の日々』でアナ・マリア・アレバロ・ゴセンは、ベネズエラの女子刑務所における日常を記録しています。彼女の強い印象を残す写真は、極限状況のなかにある閉塞感と尊厳、そして生き抜く力を写し出しています。

キアナ・ハエリ
『氷上に書かれた約束、太陽の下に残された約束』で、キアナ・ハエリは、西側諸国の軍隊撤退後のアフガニスタンで生きる若い女性たちの日常を描いています。希望と喪失のあいだで、彼女はかろうじて保たれる自己決定の瞬間を捉えています。それは、やさしくも勇敢で、同時に深く心を揺さぶるものです。

イスマイル・フェルドゥース
Sea Beach で、Ismail Ferdous はバングラデシュのコックスバザールを訪れる人々を観察している。ここは世界でも有数の長さを誇る天然の砂浜である。人々はここで日常から離れ、散策し、眺め、遊び、くつろぎ、互いに出会う。浜辺はさまざまな背景をもつ人々を結びつけ、自己を表現しながら同時に身を引くこともできる社会的な舞台となっている。

ダヴィデ・モンテレオーネ
『重要鉱物 – エネルギーの地理』は、エネルギー転換の地理的政治的な焦点、すなわちリチウム鉱山、コバルト採掘、希土類を追うシリーズです。モンテレオーネは、“グリーン”テクノロジーの隠れた側面、すなわち世界的な進歩の代償を背負っている景観やコミュニティを写し出しています。ここでは、美しさと負担が密接に絡み合っているのです。

アレハンドロ・セガラ
『2つの壁』で、アレハンドロ・セガラは、メキシコを経由して米国に向かう危険なルートを旅するベネズエラ人移民たちを記録しています。彼の写真には、決意、喪失、希望、あらゆる場所に光をもたらす愛、そして2つの壁の間に生きる人生が写し出されています。1つは背後に残した壁、もう1つは目の前に立ちはだかる壁です。
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世界を全体として捉えるためには、再び見ることを学ばなければならない。– ラースロー・モホリ=ナジ、1925年
