1996

ライカカメラ社 

ウェッツラーのアイゼンマルクトから株式市場へ

フランクフルトでの新規株式上場(IPO)により、ライカはその揺るぎない品質へのこだわりと、革新への強い意志を改めて示しました。この節目に合わせて発表されたのが、新しい「ライカR8」。それは、ライカ自身の高い志と進化を証明する存在でもありました。

1996年に発行されたライカ社のオリジナル5マルク株券の画像
ライカ株

ライカR8

高い柔軟性を誇るパワフルな一台

「ライカR8」は、フィルム一眼レフカメラにおける革新的な発明と評されています。人間工学的に最適化されたデザインに加え、EV -4から+20までの正確な測光性能、TTLフラッシュ制御機能を備えています。ミノルタ社の力を借りず、デジタルインターフェースを搭載した大胆な再設計によって、「ライカS」への先駆けとなりました。

夕陽に照らされた黒い砂浜で、カモメに囲まれながらホッキョクグマが大きな肉片を食べている。
カモメに囲まれたホッキョクグマとその子ども、アラスカ沿岸のヒゲクジラの生息地にて 1999, ノルベルト・ローシング
© Norbert Rosing

ノルベルト・ローシング


芸術的な女性のポートレート。磁器の人形のような化粧をまとい、眉、口元、鼻には金色の装飾的なメイクが施され、黒い羽で覆われている。
黒のファンタジー, マイク・シャルフシェアー
© Maik Scharfscheer

マイク・シャルフシェアー


緑の植物の枝の上で、珊瑚色の殻を持つカタツムリが触角を伸ばしている様子を捉えたクローズアップ写真。
美しき小さな世界、カタツムリ 2000, マルセル・シャソー
© Marcel Chassot

マルセル・シャソー


クラウディア・シファーがドレスをまとい、ふんわりとしたブロンドの髪にイヤリングとメイクを施され、両手で胸の前に抱えているバービー人形のように着飾られている。
クラウディア・シファー – リアルバービー(イタリア版『Vogue』誌) 1994, エレン・フォン・アンワース
© Ellen von Unwerth

演出されたユートピアと現実の生活

バービー人形と煙草

「子どもたちはどうしている?」──このような何気ない問いが、社会全体を映し出す重要な手がかりとなることがあります。社会の健全性は、そこに暮らす子どもたちの状況によって測ることができるからです。1980〜90年代、世界中の子どもたちは新しい消費文化やプラスチック製のおもちゃの夢の世界に没頭していった──そう見えるかもしれません。しかし実際には、彼らの暮らしぶりは地域ごとに大きく異なり、複雑でときに極端な現実を伴います。裕福な国で煙草を手にする11歳の子ども。バービーやアクションフィギュアに囲まれた遊びの時間。そして、素朴で幻想的な幼少期を過ごす貧しい国の子どもたち。このコントラストは、私たちの「現実」を改めて問い直す旅のようでもあります。

水遊び用プールに入る二人の少女のモノクローム写真。一人は水の中に座り、もう一人は立って煙草を吸い、カメラに向かって煙を吐いている。
アマンダと彼女のいとこエイミー(ノースカロライナ州ヴァルデーゼ) 1990, メアリー・エレン・マーク
© Estate of Mary Ellen Mark
車の中から撮影された、モンスーンの雨の中の母親と子ども。車の窓際に立って中を覗いている。
モンスーンの時期、インドのムンバイで、車窓から施しを求める母親と子ども。 1993, スティーブ・マッカリー
© Steve McCurry
光と影の効果で描かれた躍動的な構図。左側には顔の前に本を掲げる男性、右側には恋人同士が親密に寄り添い、中央には光の輪に浮かぶシルエットとして、娘を抱きかかえる父親の姿が際立っている。
メキシコ・ヌエボ・ラレド 1996, アレックス・ウェッブ
© Alex Webb / Magnum Photos
黒いスーツ姿の三人の男性と一人の少年が胸まで写ったモノクローム写真。少年は自信に満ちた真剣な表情でカメラをまっすぐに見つめている。
『Upon the Face of Waters』シリーズより(スペイン・アンダルシア、プリエゴ・デ・コルドバ) 1996, ヨハン・ウィルナー
© Johan Willner
メキシコの公共の広場にいる子どもたちを捉えた、青と白がメインの写真。手前にいる男の子が指でボールを回している。
子どもたちが中庭で遊ぶ様子(メキシコ・テワンテペク) 1985, アレックス・ウェッブ
© Alex Webb / Magnum Photos
バーチャルリアリティのヘルメットをかぶった子どもたちがロボットのように観覧席に並んでいる、SFのような光景。
東京モーターショーのバーチャルリアリティヘルメット 1999, クリストファー・スティール=パーキンス
© Christopher Steele-Perkins / Magnum Photos
光と影の戯れが、段ボール箱に隠れて片目だけを出している子どもという印象的な街並みを描き出している。
メキシコ・レオン 1987, アレックス・ウェッブ
© Alex Webb / Magnum Photos
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ライカS1

未知の領域への一歩

「ライカS1」は、ライカ初のデジタルカメラとして誕生しました。Kodak社製CCD技術を搭載した高解像度のスキャン式カメラで、静止した被写体の撮影に特化しています。動くものには向かないものの、美術館での作品撮影や複製、博物館での科学写真などに最適です。

苦境から生まれた未来

1本の電話と、その後に続く出来事がすべてを変えた物語があります。1997年、Apple社は倒産の瀬戸際に立たされていました。スティーブ・ジョブズは助けを求め、思いもよらないライバルに電話をかけます。それに応じたビル・ゲイツは、1億5,000万ドルを投じて競合であるAppleを救済しました。この脆弱な合意とその瞬間は、単なる延命措置ではなく、現代のコンピューターとインターネット時代を切り開くきっかけと基盤になり、私たちのコミュニケーション、仕事、音楽の楽しみ方、写真の撮り方にまで大きな変化をもたらしたのです。

『タイム』誌の表紙。真っ黒な服を着て白い壁の前でしゃがみ込み、携帯電話で話すスティーブ・ジョブズのモノクローム写真が掲載されている。
スティーブ・ジョブズ(『タイム』誌) 1997, ダイアナ・ウォーカー
© Diana Walker



"ビル、ありがとう。世界はより良い場所になったよ。"


–  スティーブ・ジョブズ


床に横たわり、天井に向かって電話をするスティーブ・ジョブズのモノクローム写真。
スティーブ・ジョブズ 1997, ダイアナ・ウォーカー
© Diana Walker


長い一日を終え、床に横たわりながらスティーブ・ジョブズはビル・ゲイツと電話で交渉をまとめます。その結果、Microsoftが1億5,000万ドル相当のApple株を取得することとなりました。

ビル・ゲイツが、混雑した通路で記者団に話しているモノクローム写真。
ビル・ゲイツ 1992, ダグ・メヌエズ
© Doug Menuez
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